今回は市井の人々の心温まるお話。
1990年代、中国に一年間学んだ。
大学は中原(ちゅうげん)地帯、黄河のほとり、
宋の時代の都として栄えた町にある。
9月からの授業はスタート。
西暦の新年が過ぎると中国最大のお祭り、
春節(しゅんせつ)がやってくる。
春節は農歴のため、毎年日付が変動する。
時期は、およそ立春(2月4日)前後の新月のころとなる。
その時期は、大学も一ヶ月ほどお休みになる。
留学生は長い休暇を利用して、
中国の国内旅行の計画を立てる。
私は休暇をどう過ごそうか悩んでいたが、
「マリコしゃま」に誘われて、
山東(サントン)省の「煙台」という町に
行くことになった。
マリコしゃまは埼玉の出身。
お父様は埼玉で何人かの中国人の
お世話をしている。
その中国人の実家と町から、是非マリコお嬢様を
春節にお招きしたい、お友達もどうぞ、
とのことなのだ。
出発の当日は、日本に暮らす中国人の弟さんが、
山東省煙台から私たちの宿舎まで、
列車を乗り継ぎ、一昼夜かけて迎えにきてくれた。
弟さんは礼儀ただしく、私たちに応対する。
3人で列車にのり、夕刻、徐州(じょしゅう)の駅についた。
徐州で夜行列車に乗り換え、煙台まで行くのだ。
折しも春節。
どの駅も列車も故郷に帰る人で、ごったがえしている。
日本の終戦直後の買い出しの列車のようだ。
乗車時には、われ先に席を確保しようと突進する。
私たちを安全な所に待たせて、
弟さんが列車の2枚の切符を持ってきた。
一等寝台(4人一部屋のコンパートメント)だ。
春節で故郷にかる多くの人々は
「硬座(インツォ)」といって
日本の昔の駅にあったような、
シートと背もたれが完璧な90°を描く
木製のベンチに十数時間乗っていくのだ。
座りきれない人々は座席の間の通路をうめつくす。
春節時期の満員列車の指定席を確保するのは至難の技だ。
弟さんは、客人の私たちのために、
必死に車掌に交渉したのだろう。
多額の金額を支払ったことは想像に難くない。
私たちは乗車券代をお支払いしようとするが、
弟さんは頑なに固持して受けとらない。
弟さんは、私に「煙台」の駅で必ず降りるよう
何回も念を押し、自分は別の車両に移って行った。
きっとインツォで行くのだろう。
さあ、煙台ではどのような歓待が用意されていたか、
乞うご期待。
(つづく)
カテゴリ:プライベート
今回は台湾編。

東京の貿易会社に勤めていたときのこと。
あるとき、台湾から100頭ちかくの鹿を輸入することになった。
毎年のびる雄鹿の角はロクジョウと言い、
高価な漢方薬(強精剤)になるのだ。
そこで青森の経験豊かな畜産家が、
台湾の養鹿場に研修を受けることになり、
私は通訳兼記録係として同行した。
私たちは台北から南東の方角にある
台東(タイトン)という田舎町で
2週間のホームステイをしながら研修を受けた。
青森のジュウさんは、初老の畜産家。
海外旅行は今回が初めてだ。
純朴で真面目な性格のジュウさんは
かなり緊張していらっしゃっただろう。

さて、2週間の研修が終わった。
明日、ジュウさんと私は日本に帰国するのだ。
台東から台北に移動し、台湾最後の夜を迎えた。

夕方、受け入れ側である台湾の会社から
社長と部下の2人がやってきた。
ジュウさんと私を
夜の台北に案内してくれるというのだ。
台湾側の2人は年配で、戦時中の日本語教育を受けている。
2人は、とても流ちょうな日本語を話す。

食事の後、台北の飲み屋街まで歩き、
一軒のバーに案内された。
ママさんが笑顔で迎える。
店内20畳ほどの、こぎれいなスナックだ。
落ち着いた店内にはテーブルとソファのセットが
何組か配置された。
私たちは丸いテーブルを囲んでソファにもたれた。
ママさんが愛想良く挨拶して、注文をきくと
静かに奥に下がった。
気心のしれたお店なのだろう。
紹興酒が運ばれ、グラスに注がれた。
中国の南方ではバイチウ(白酒)ではなく、
紹興酒が好んで飲まれる。
日本では氷砂糖を入れて飲む紹興酒だが、
本場台湾では、お砂糖の替わりに
レモンスライスを入れることを
この時初めて学んだ。
今晩の接待のターゲットはジュウさんだ。
ジュウさんの慰労をするのだ。
台湾の2人は、ジュウさんをもてなすために
冗談を言ったり、持ち上げたり、笑い声が絶えない。
ジュウさんも2週間我慢していたお酒を
うれしそうに飲んでいる。
私はそばでニコニコしていればよい。
ジュウさんは飲むほどに、酔うほどに、
津軽弁が強くなってくる。
だんだん、私は話の内容を聞き取れなくなった。
一方3人は、お腹を抱えて笑い、盛り上がっている。
しまいには、酔いが回ったジュウさんの言葉は、
100%津軽弁になってしまった。
もう私は、3人が何を談笑しているのか、
さっぱりわからない。
時々3人は大声を立てて笑う。
2人は盛んにジュウさんにお酒をついでいる。
ジュウさんは赤い顔をし
おしゃべりに打ち興じる。
台湾の2人は大きくうなづく。
ジュウさんは、心底うれしそうだ。
私は、ジュウさんの言葉を理解しようと
全神経を集中させた。
が、まったくわからない。
台湾の2人は、ジュウさんの気持ちを
がっしりつかんでいる。
私は驚いた。
かつて台湾での日本語教育のレベルは、
こんなに高いのだと。
3人の歓談は長い間続き、
気がつくと、ジュウさんの前には空になった
紹興酒の瓶が4本並んでいた。
夜も更けてお開きとなり、
ジュウさんと私はホテルに戻ることになった。
台北の夜を満喫した上機嫌のジュウさん。
スナックを出る時、私は社長に申し上げた。
「あの日本語をおわかりになるなんて
素晴らしいですね。」
すると、台湾の社長は答えた。
「いやぁ、ぼくも全然わからないですよ。」
まさしく接待の達人。
私は感服した。

カテゴリ:プライベート
「もっとカメラを使いこなしたい。」
「プロみたいな写真を撮ってみたい。」
そんな願いを叶えてくれるお店が「Jack's Fun Place」
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(Jackさんと奥様のYokoさん) |

アメリカ出身の Jack(ジャック)さんは
何と「ニコンの公認カメラマン」。
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(Jack さんの愛機) |
かつて東京の外人記者クラブに属し、
フェラーリなどのF1・G1の
チームカメラマンを歴任。
マガジンフォトグラファー、
ウェディングフォトグラファーでもある。

プロの写真家が、
お客様のニーズに合わせて指導してくれるのが
「Jack's Fun Place」だ。
「いいカメラ買ったのだけど、うまく撮れない。」
「本を読んでも、よくわからない。」と嘆くあなた。
日本人は良いカメラを買っただけで
満足してしまうのだそうだ。
持っているカメラを、使いこなせないうちに
新しいカメラがほしくなってしまう、あなた。
Wait a minute!(ちょっと待って)
アメリカでは、カメラを買ったら
まず写真の学校に通って勉強してから
手持ちのカメラをとことん使うそうだ。
「カメラが写真を撮るんじゃない、
あなたが写真を撮るのです。」
「カメラはあなたを表現するツールです。」
Jackさんの至言である。

入門コースから上級者までのクラスは
通常、週一回のレッスンが数ヶ月で1ターム。
今回は私たちチームかぐやのために
3時間の特別レッスンを開いてくれた。
??「絞り」って何??
??「シャッタースピード」??
??「ISO」??
本を読んでも、ちんぶんかんぶん。初心者の私たち。
Jack さんが、私たちの疑問に、
わかりやすく、丁寧に説明してくれる。
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(Jackさんからレッスンを受けるチームかぐや) |
レッスンは全て英語。
でも心配ご無用。
奥様のYokoさんが、逐次、日本語に訳してくれる。
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(JackさんのアシストをされるYokoさん) |
もちろん、英語のわかる方は通訳なしでどうぞ。
写真を学ぶと同時に英会話の訓練にもなる。
お得な気分。
レッスンは「Jack's Fun Place」の名のとおり、
ユーモアを交え、リラックスした雰囲気。

さあ、レッスンの様子をご紹介しよう。
初心者の私たちに大切なのは、
まずはカメラの構え方。

脇をしっかりしめて、カメラを固定する。
【テクニック】
欄干などに肘をつく。
壁などに身体を押しつける。
チェーンなどの器具の利用。
現在のカメラは「手ぶれ防止機能」がつき、改善されたが、
撮影の失敗の原因の80%は「手ブレ」だそうだ。
そして、本題。
ギリシャ語が語原の「photo」。「光」を表す。
Photo is "writing with light".
写真は「光」の芸術。
写真の命は「ライティング」にあるのだそうだ。
どうやって「光」を取り込むか。
うまく「光」を採り入れるためには
次の三要素が左右する。

初心者コースでは、カメラの構造から始まり、
この3つの要素が何であるのかを
噛んで含めるように教えてくれる。
これで、私たちも、オート撮影を一歩進んで
「A」の絞りのF値を変えて明るさを調節し、
「S」のシャッタースピードを変えて動くものをとらえ、
最も暗い場所でも「ISO」を変えて撮影すればよいのだ!
また、基本となる構図は、下のとおり、
Jackさんは被写体を画面の中央には置かず
マルのついた部分にくるようにするそうだ。

水平線も中央より若干、上か下になるようにする。
このほか、実際の撮影では、
室内など採光に制限がある場合は
「リフレクター(反射板)」などを利用することも学んだ。
「リフレクター」は白い画用紙や白い布でも
代用できるそうだ。
たった一枚の白い紙をかざすことにより、
写真の仕上がりが違ってくる。
初心者用の特別レッスンを受けた私たち。
あとは練習あるのみだ。
http://jacks-fun-place.com/Jacks-Fun-Place/D-Shooters.html

「Jack's Fun Place」のカメラクラスでは
入門から上級コース、キッズクラスも用意されている。


また「Jack's Fun Place」では、
キッズから大人までの英会話クラスもある。
テキスト主義ではない、ネイティブの発音や発想に
基づいた、「通じる英語」のレッスンを行っている。


Jackさん主催の写真サークル「D-Shooters」では
定期的に撮影会や展示会も行う。
2012年の展示会は、伊東アピタで3月3日から9日まで
開催される。

「Jack's Fun Place」は、もちろん本格的な
スタジオ撮影もお手のもの。
一般の写真館では見られない
リラックスした表情の写真が印象的だ。

「Jack's Fun Place」は私たちの日常を
もっと楽しく もっと価値的にする
「the Light of Hope(希望の光)」だ。


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(エレベータにて
4Fで降りてすぐ右のとびら)
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(清潔なラウンジ) |
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(スタジオの様子)
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おまけ: JackさんはMac(Apple)フリークでもある。
Macのことも相談できます。
カテゴリ:ふじのくに魅力ある登録店、ショップ、静岡県東部
昔々、「へぇー」と思ったエピソードを一つ。
話してくれた教授は、かつての中国語通訳官。
中国や韓国は、日本にとって「恩人」の国。
文化も政治も宗教も、日本は両国から学んだ。
40年前の1972年、戦後、断絶していた日本と中国の
国交が回復した。
表舞台に立ったのは日本側は時の首相、田中角栄。
実際のところ、日中の国交回復は
友好を願う先達たちの陰の努力により
実現したのだ。
中国側の代表は周恩来(しゅうおんらい)。
奥様の鄧頴超(とうえいちょう)と共に
「人民の父、母」と多くの国民から尊敬されている。
アメリカのキッシンジャー国務長官が周恩来を評して
「今までにあった中で最も深い感銘を受けた人物の一人」、
「上品で、とてつもなく忍耐強く、並々ならぬ知性を
備えた繊細な人物」と述懐している。
さて、国交回復の調印に角栄を北京に迎えるにあたり、
周恩来は角栄の好みを徹底的に調査した。
・・・食べ物、お酒、インテリア、寝具・・・
はたして、角栄夫妻が通された部屋は
夫妻がほれぼれする内装で
テーブルには大好きなフルーツが盛られ、
何から何まで、角栄夫妻の好みのサービスが
行き渡っていた。
調印後、祝宴の席で。
中国の宴会で欠かせないのが「お酒」だ。
中国の宴会の席では伝統的に
手酌で一人で飲むわけにはいかない。
必ず、「さあ、乾杯しましょう。」と周囲を誘って
一緒に飲まなければならない。
反対に「乾杯」を促されたら、
なみなみとつがれた杯を共に飲み干さなければならない。
しかも、お酒は白酒(バイチウ 高級品はマオタイ酒)。
アルコール度数が50〜60度。のどが焼けるお酒だ。
これを、ご馳走とともに、くいっくいっと空けていく。
まさに胃袋と肝臓の限界に挑戦だ。
新潟出身の角栄はお酒好き。
宴会では、周恩来の話術、
極上のご馳走、おいしいお酒があいまって
終始、破顔の上機嫌であった。
中国側は、「接待に大成功」した。
教授の話によると、その時お酌に使われた
特注の酒器には秘密があったとのこと。

この話が本当だとすると、
角栄はひたすらバイチウをあおった。
一方、周恩来は水さかずきで乾杯しながら、
客人を最大限にもてなすことに徹したことになる。
数千年にわたり、広大な大地で多くの民族が
生き残りをかけ興亡を繰り返した中国・・・。
まさに彼らは接待の達人だ。
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余談:最近読んだ本。
「纏足(てんそく)の靴」ドロシー・コウ著。
封建制度として「負」のイメージが強い纏足。
著者は研究の第一人者として、まったく異なる視点から
「纏足」の価値に迫る。
膨大な纏足の靴のコレクションが、写真で紹介されている。
どれも美しく、奥深い「纏足ワールド」を物語る品々。
女性たちは、与えられた環境の中で、様々な材料や
技巧を駆使して自らの靴を作り、おしゃれをして、
「纏足ライフ」をエンジョイしていたのだ。
やはり女性はたくましい。
目からウロコの一冊。
カテゴリ:プライベート