2012年2月22日 10:14
昔々、「へぇー」と思ったエピソードを一つ。
話してくれた教授は、かつての中国語通訳官。
中国や韓国は、日本にとって「恩人」の国。
文化も政治も宗教も、日本は両国から学んだ。
40年前の1972年、戦後、断絶していた日本と中国の
国交が回復した。
表舞台に立ったのは日本側は時の首相、田中角栄。
実際のところ、日中の国交回復は
友好を願う先達たちの陰の努力により
実現したのだ。
中国側の代表は周恩来(しゅうおんらい)。
奥様の鄧頴超(とうえいちょう)と共に
「人民の父、母」と多くの国民から尊敬されている。
アメリカのキッシンジャー国務長官が周恩来を評して
「今までにあった中で最も深い感銘を受けた人物の一人」、
「上品で、とてつもなく忍耐強く、並々ならぬ知性を
備えた繊細な人物」と述懐している。
さて、国交回復の調印に角栄を北京に迎えるにあたり、
周恩来は角栄の好みを徹底的に調査した。
・・・食べ物、お酒、インテリア、寝具・・・
はたして、角栄夫妻が通された部屋は
夫妻がほれぼれする内装で
テーブルには大好きなフルーツが盛られ、
何から何まで、角栄夫妻の好みのサービスが
行き渡っていた。
調印後、祝宴の席で。
中国の宴会で欠かせないのが「お酒」だ。
中国の宴会の席では伝統的に
手酌で一人で飲むわけにはいかない。
必ず、「さあ、乾杯しましょう。」と周囲を誘って
一緒に飲まなければならない。
反対に「乾杯」を促されたら、
なみなみとつがれた杯を共に飲み干さなければならない。
しかも、お酒は白酒(バイチウ 高級品はマオタイ酒)。
アルコール度数が50〜60度。のどが焼けるお酒だ。
これを、ご馳走とともに、くいっくいっと空けていく。
まさに胃袋と肝臓の限界に挑戦だ。
新潟出身の角栄はお酒好き。
宴会では、周恩来の話術、
極上のご馳走、おいしいお酒があいまって
終始、破顔の上機嫌であった。
中国側は、「接待に大成功」した。
教授の話によると、その時お酌に使われた
特注の酒器には秘密があったとのこと。
この話が本当だとすると、
角栄はひたすらバイチウをあおった。
一方、周恩来は水さかずきで乾杯しながら、
客人を最大限にもてなすことに徹したことになる。
数千年にわたり、広大な大地で多くの民族が
生き残りをかけ興亡を繰り返した中国・・・。
まさに彼らは接待の達人だ。
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余談:最近読んだ本。
「纏足(てんそく)の靴」ドロシー・コウ著。
封建制度として「負」のイメージが強い纏足。
著者は研究の第一人者として、まったく異なる視点から
「纏足」の価値に迫る。
膨大な纏足の靴のコレクションが、写真で紹介されている。
どれも美しく、奥深い「纏足ワールド」を物語る品々。
女性たちは、与えられた環境の中で、様々な材料や
技巧を駆使して自らの靴を作り、おしゃれをして、
「纏足ライフ」をエンジョイしていたのだ。
やはり女性はたくましい。
目からウロコの一冊。
カテゴリ:プライベート


コメント(2)
非常に興味深いお話!~心のこもった「おもてなし」は、人の心を大きく動かします。
心遣いのできる人物は魅力的~とっても素敵です!
by かぐや ゆかり | HOME | 2012年2月23日 10:08
かぐやゆかりさんのおっしゃる通り、真心が大事ですね。
by かぐやとべ たかこ | 2012年2月23日 10:35
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